中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ

9/16(火)「Investigation of Pottery Impressions by the Replica Method ワークショップ」を開催しました。

日時:2025年9月16日(火)14:00~17:00
会場:蘭州大学榆中キャンパス 隴山堂C108教室
言語:日・中・英語

 2025年9月16日、蘭州大学で金沢大学の佐々木由香によるレプリカ法による土器圧痕調査のワークショップが開催されました。蘭州大学歴史文化学院の魏文斌教授、任曜新准教授、呂春林講師のほか、考古学専攻の修士1年生を含む約20名が参加しました。
 ワークショップでは、過去の人間が利用した植物の痕跡を知る手掛かりの一つとして土器圧痕があること、土器圧痕の形成過程や圧痕からわかる土器作りの環境などを紹介し、さらにレプリカ法による土器圧痕の採取方法について解説しました。その後、現代の穀類を埋め込んだ粘土板でレプリカの採取を行い、レプリカ法の具体的な手順を参加者に実演しました。続いて、参加者は数回粘土版の種実圧痕を採取したのち、配布された遺跡出土土器をルーペで観察し、種実圧痕の有無を探索しました。さらに、種実らしい圧痕があった土器を集めて代表の学生がレプリカ採取を行い、その手順を全員と共有しました。最後に、オオムギやコムギ、アワ、キビなどの圧痕としてみられる種実の形態的特徴を解説し、先に行った粘土板による種実圧痕レプリカの採取で得られた種実圧痕がどの植物種に対応するかを参加者が同定しました。
 今回のワークショップを通じて、参加者は実践的な知識と技術を身につけ、今後の土器研究においてレプリカ法を活用する意義を共有したことから、今後の成果が期待されます。