9/15(月)「中国文明とシルクロード―日中共同研究『中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ』シンポジウム」を開催しました。
日時:2025年9月15日(月)9:30~17:30
会場:蘭州大学城関キャンパス西区学生活動センター
主催:蘭州大学歴史文化学院・資源環境学院、金沢大学古代文明・文化資源学研究所
言語:日・中・英語
9:30~10:10 中村慎一(金沢大学)「良渚文化の対外交流」
10:10~10:30 渡部展也(中部大学)「試論:GISから考える「考古学的文化」の空間的動態」
10:30~10:40 休憩
10:40~11:10 方輝(山東大学)「中国先史時代および夏・商・周時代における朱砂の利用」
11:10~11:50 久米正吾(金沢大学)「ダルヴェルジン遺跡(ウズベキスタン、フェルガナ盆地)で発見された初期の「拝火神殿」について」
11:50~12:20 秦小麗(復旦大学)「装身具からみた二里崗文化期の文化交流と拡散」
14:00~14:30 楊暁燕(蘭州大学)「旧大陸南部における先史時代の高原間貿易ルート」
14:30~15:10 南武志ほか(奈良県立医科大学)「遺跡出土朱の産地推定のための硫黄同位体比分析」
15:10~15:20 休憩
15:20~15:50 馬敏敏(蘭州大学)「チベット高原東縁における先史時代のアワ栽培農業:変革と南方伝播、その影響」
15:50~16:10 斎藤誠史(東京大学)「四種硫黄同位体分析に基づく朱の産地推定」
16:10~16:40 菊地大樹(蘭州大学)「モンゴル高原青銅器時代後期の馬の犠牲」
16:40~17:20 ディスカッション
2025年9月15日、蘭州大学歴史文化学院・資源環境学院と金沢大学古代文明・文化資源学研究所主催の「中国文明とシルクロード―日中共同研究『中国文明起源解明の新・考古学イニシアティブ』シンポジウム」を中国甘粛省の蘭州大学で開催しました。
開幕式には、蘭州大学副学長・沙勇忠氏、歴史文化学院副院長・白玉冬氏、金沢大学副学長・中村慎一が登壇し、それぞれ挨拶を行いました。シンポジウムでは、蘭州大学や山東大学、復旦大学、金沢大学、中部大学、奈良県立医科大学など、日中両国の大学・研究機関から70名を超える研究者と学生が参加しました。
シンポジウムでは、シルクロード周辺遺跡における新たな考古学的発見や、地域間の文化交流、物質文化研究に関する最新の研究成果が紹介され、参加者による活発な討論が行われました。その成果として、中国文明の形成と発展にシルクロードが果たした役割を改めて確認するとともに、多分野の横断的な研究手法の融合化が進み、今後のユーラシア大陸での古代の交流研究に新たな展開を期待する契機となりました。
本シンポジウムは、蘭州大学と金沢大学が長年築いてきた学術協力関係により実現したもので、東アジア考古学界における国際学術交流の深化を示すものとなりました。両大学は今回のシンポジウムを契機として、さらなる共同研究分野の拡大と深化を図り、学術交流の枠組みを構築していくことで合意しました。そして、今後、若手研究者の育成や重要課題への共同研究を通じて、アジア文化遺産の保護、研究や継承にも新たな貢献を果たすことが期待されます。